2023/01/25
田んぼによって水害の状態は違うわけで・・・
土砂で埋まった田んぼもあれば、
浸水して泥まみれの稲の田んぼもあれば、
浸水しても穂まで使っていない田んぼもあれば、
ほぼ、浸水していない田んぼもありました。
しなしながら、一番の問題は田んぼまでの水路(用水路)でした。
ココが埋まって水の行き来が出来ないのが、これまた稲の品質に大きく左右していました。
特に、コシヒカリの田んぼがそれに当たり、生育段階に大きく影響していたと思われます。
その被害状況によって刈り取ったお米の乾燥機(乾燥機は5台あります)を変えていました。
まずは、乾燥機ごとに分けていましたので「満足いただけるお米はないか?」を全量、モミスリ(籾殻を取る工程)するまで探していました。
結局はコシヒカリは全て3等級ということで残念な結果になりました。
次に検討会議をしました。
コシヒカリはもちろん一番人気のお米であるので、喜んで頂けないであろうお米を、「価格を下げても売るか?」「売らないか?」で検討しました。
最終結論としまして、『二十代目の米農家として、「喜んで頂けない米」は売れない』という判断をしました。
売らなかった米は取引しているコメ卸業者にお願いして安価ではありましたが買い取ってもらいました。
そして、店舗で販売するお米は「つきあかり2等米」「ひゃくまん穀1等米」だけとすることにしました。
当たり前ですが、これでは、お待ちいただいているお客さんに満足いただけない・・・し、
予定していた量が確保できていないので春前には完売が予想されます。
プロの米農家として「申し訳ない」の一言が心の中に残りました。
何度も「新米はまだですか?」の来店時の声や電話がありました。
例年であれば早生品種もあり9月1日頃から販売できる米が
本年に至っては検討していた期間も合わさって10月5日頃から「つきあかり2等米」「ひゃくまん穀1等米」だけ
販売をスタートしました。
店舗スタッフには、丁寧な説明をして接客に心がけてもらいました。大変だったと思います。
もちろん、売上うんぬんも残念な事でありますが、何度も書きましたが、「喜んで頂けるお米を届けられなかった」という現状に申し訳なさが募るのでした。【つづく】
有限会社のむら農産の代表 野村 佳史(ノムラ ヨシフミ)です。
白山連峰の山あいで代々続く米農家の二十代目として、のむら農産の代表をさせていただいております。
米づくりは農薬化学肥料を限界まで抑えた県認証の特別栽培米を生産し、また合成添加物を使わない昔ながらの製法で、餅やかきもちに加工して販売しております。
農家の本質である『食べる人の笑顔』を想い、米づくりや餅づくりにあたり、あったかい食卓のような、和みの空間を皆様にお届けすることが私の使命と思っております。
のむら農産
https://www.nomura-nousan.co.jp/
のむら農産は、石川県小松市中海町にてお米の栽培から、加工、販売までを行っております。
農業に一番重要な土の力を育むために堆肥にこだわり、また、山間部である中海町という昼夜の寒暖差が激しい土地で育まれるお米は、甘みと香りが強く、ふっくらとした味わいになります。
直売店『きのこの里』や、通販サイトにて、お米はもちろん、それらを加工した「かきもち」や「餅」も販売しております。
どうぞよろしくお願いします。